後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2018年9月29日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 2:26 柏原新道登山口−−4:42 種池山荘−−5:13 爺ヶ岳南峰直下−−5:26 爺岳中峰 5:50−−5:58 爺ヶ岳南峰−−6:31 種池山荘−−7:51 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2018年9月29日 日帰り
天候薄曇り後雨
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり(6,7台)。橋を渡った対岸の駐車場は今年は利用可能
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望悪天覚悟で出かけたが奇跡的に展望あり
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コメント台風24号襲来前に往復。雨を覚悟したが往路は降られず展望を楽しめた。帰路の南峰では霰→みぞれ→雨と変わり今シーズン初めて降雪に遭った。気温は0℃。稜線は紅葉のピークだが台風の強風で飛ばされてしまうかも。明日夜〜明後日早朝は台風直撃予定なのに10人程度が雨の中を登っていった




柏原新道登山口前駐車場出発 登山指導所は日中も無人だった
扇沢。今日はくっきり 薄い雲の向こうに月。まだ天候はOK
石ベンチ(標高約2200m) ガレ谷横断。まだ真っ暗
種池山荘。夜が白んできた 冷池山荘の窓の光
爺ヶ岳中峰分岐。往路はパス 東の空と大町の光
中峰分岐 爺ヶ岳山頂(中峰)。滋賀県からの先客あり
予想外に雲の隙間からご来光が 立山が赤く染まる
爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍 爺ヶ岳中峰から見た爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳中峰から見た西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰山頂 気温は今季初の0℃
爺ヶ岳南峰から見た南〜西の展望(クリックで拡大) 霞は雨や雪が降っている場所
爺ヶ岳南峰から見た常念山脈〜槍穂(クリックで拡大)
雨の種池山荘 傘を差して下山
上部は紅葉のピーク 真っ赤なナナカマド
雨で針ノ木岳が煙っている 扇沢。悪天なのに車が結構いる
登山口。途中下山した集団あり 対岸の駐車場。この天気で半分くらい埋まっている
登山口前駐車場も空きあり

 今年の夏終盤の週末は天候に恵まれないが、今週末は台風24号直撃の最悪展開。土曜日は台風はまだ沖縄だが本州付近は台風に刺激された秋雨前線で雨の予報。予報によって長野での雨の降りだし時間が異なるが、早いもので朝6時くらい、遅くともお昼には雨雲がかかるとのこと。山の上ではこれより早い可能性も。その後の回復は日曜昼間に一時的に雨雲が切れるらしいが今度は強風だろう。最接近は日曜夜から月曜早朝で、その後はスピードアップで台風が通過するのは月曜午後になってから。これでは土曜の早朝が一番マシとの結論しかなく、できれば雨が降り出す前に戻ってこようと、自分の中では悪天時のトレーニング場と化している爺ヶ岳を早朝から目指すことにした。

 登山口の柏原新道登山口到着は金曜夜午後8時半くらいで駐車場は4台のみ。この天気予報では明日下山してくるのだろう。扇沢方面へ上がっていく車が夜中に次々とやってきたが、まさか山屋じゃなくて観光客だろうなぁ。まだ空は満天の星空であったが、朝2時に起床すると月明りが見えているが上空には薄雲が出ていた。雨が降る気配はまだ無いが、昨夜の天気予報ではこれから急激に悪化するはずなので下山まで持ってくれるだろうか。軽く朝飯を食って出発。駐車場には車が2台増えていた。当然ながら今回は雨装備はしっかり。ゴアと傘、帽子手袋に足元を固めるスパッツ、眼鏡に水滴が付着するのを防止するためのつば付き帽子だ。休憩する予定は無いので防寒装備は最小限とし、水と食料は持たずに何かあった場合に備えて財布を持つ。天気予報ではまだ今日は風は弱く、気温は稜線で+4℃くらいの予定だ。

LEDヘッドライトの電源はいつもは単3サイズのニッケル水素電池だが、過去の経験では1泊でも電池切れになったことがないので、今回は単4のニッケル水素電池にアダプタをかませて単三サイズで使用して軽量化。今日は2時間半の使用予定だがこれで持つかの実験だ。もちろん予備電池は持っていく。

 前回、ここを登った時は終始雨で下山時は本降りの雨で登山道は水たまりができていたが、昨日は好天だったために今回は通常の登山道。樹林の隙間からは薄い雲の向こう側に明るい月が見えていて、雲の隙間からは星も見られた、扇沢の光は今日はシャープに見えていた。樹林の隙間のある数か所で種池山荘が見えるはずなのだが、今回は窓の明かりが見えなかった。まだ消灯時間だったのかも?登山道の前後にもライトの光は皆無だった。

 今の時期は日の出の時刻は真夏よりも1時間位遅い朝5時半過ぎなので往路はほとんどを真っ暗な中を歩いた。計算では中峰山頂で日の出の時刻を迎えるので種池山荘でもまだ暗いはずで、水平道や石ベンチ、ガレた谷でもまだ真っ暗。気温は+10℃を切って+5,6℃まで下がってきたが風が無いので半袖半ズボンでも体を動かしていれば寒さは感じない。

 森林限界を突破して種池山荘前に到着したときは予想通りにまだ周囲は真っ暗だったが、これが夏山シーズンなら既に日の出の時刻を過ぎているはず。真っ暗なので小屋前はまだ無人で部屋の明かりが眩しいくらいに明るかった。ここから見る爺ヶ岳南峰には明かりは見えずまだ誰も歩いていないようだった。しかしその後にチラチラと明かりらしきものが微かに見えることに気付いたが、普通の登山者と違って明るい光として見えることは1回しかなかったので先行する登山者がいると判明したのはずっと後のことだった。

 森林限界を越えたので今までより明るくなったが、今の時期の日の出は5時半過ぎでしかも今日は曇っているのでライトが不要な程度まで明るくなるのは5時10分過ぎ。冷池山荘の窓の明かりはまだ強く、その南側にはこちらに向かってくる登山者の小さな光あり。鹿島槍方向に進む光は見えなかったが天気予報を考えれば当然かも。意外にも立山剱岳はまだ雲がかかっておらずすっきりと見えていて、稜線には登山者のライトの光が数回見られた。剱岳北方稜線もすっきりと見えている。鹿島槍の右側には頚城山塊が雲海の上に浮かんでいた。南に目を向けると槍ヶ岳は霞んでしまい、北アルプス南部では既に雨が降っているようだ。こちらに達するまであまり時間が無いかもしれないが、どうやら雨より私の方が中峰山頂に達するのは早そうだ。

 往路では南峰をパスして中峰に向かう。気温はいつの間にか0℃まで下がって僅かな風でも寒く、腕カバー、ネックウォーマー、毛糸の帽子、手袋を着用。本当はズボンも履きたいところだが登山靴を脱ぐ必要があるのでこれは最後の手段だ。まあ、歩き続けている分には体が発熱しているので半ズボンのままでもいけるだろう。

 縦走路の中峰分岐で中峰山頂へ。当然ながら無人と思ったら単独男性がいたのでちょっとびっくり。おそらく私が見た南峰登りの光の主だろう。山頂にはガスはかかっておらず、東は雲海に覆われているが浅間山、四阿山、横手山は見えている。東の空の水平線付近はかろうじて雲が切れて赤くなった空が見えていて、僅かな時間だが太陽が顔を出して立山を赤く染めた。

男性は滋賀県からやってきたとのことで爺ヶ岳は初めてだという。昨日登って幕営したとのことで、テントを畳むまで雨が降らなければと話していた。私と同様に今日の展望はあまり期待していなかったのに予想外の展望に喜んでいた。男性と話し込んで計画外に30分ほど山頂に滞在した。日の出を過ぎると周囲が明るくなり、紅葉が進んでいることを確認。暗闇の中を登ってきたので全く気付かなかったが、稜線では今がほぼピークだろう。鹿島槍もすっかり秋の色に変わっていた。

 男性が山頂を発つのと同時に私も出発、帰りに私は南峰に立ち寄る。この頃になると立山が霞んで見えるようになり、あちらでも雨が降り出したようだ。そうしたら南峰のてっぺんでは雨ではなく霰が降ってきた。私にとっては今シーズンの初雪で、過去の経験の中でも飛びぬけて早い初雪だった。普通は好天時しか登らないからアルプスで雪に降られることはないからだろう。霰は短時間で雪に変わり、みぞれに変わってから雨になった。どうせなら霰のままの方が濡れなくていいのだが。男性と合流して山談議に花を咲かせながら種池山荘に戻り、男性はテントの撤収へ、私はそのまま下山だ。まだあまり雨は強くないが傘を差しながら歩いた。こういうときに傘はすぐに準備できるのでゴアと違って準備が早いし止めばすぐに収納可能だ。

 雨の中の下山中の登山者は何人もいたので、昨日の好天で種池山荘宿泊者はそれなりにいたらしい。おそらく昨日のうちに爺ヶ岳に登っておき、天気が下り坂の今日は下山だけなのだろう。山頂で出会った男性は昨日昼間に登り始めたと言っていたので、種池山荘到着時刻が遅くなったため、今朝になって山頂に立ったようだ。全員がゴアを着用している中で傘は私一人でとても目立っていただろうが、風が無い状態だと傘は非常に有効。一番ありがたいのは蒸れないことだが、今の気温は約0℃なのでこれだとほとんど汗はかかないので当てはまらない。でもザックが濡れないことは大きなメリット。ゴアのフードによって左右の視界が遮られることも無い。ゴアのズボンに付着した雨粒が流れ落ちて靴や靴下から靴の内部に浸水することもない。ただし、雨が強いと足元が濡れやすくなるのでスパッツで防護した方がいい。

 標高が下がってくると植生はシラビソが中心となり、残念ながら紅葉は見られなくなる。しかし背の高いシラビソ樹林は葉を茂らせて雨除け効果が大きくなり、傘を差さずに歩けるようになる。明日は台風直撃だというのに雨の中を登ってくる登山者は合計10人前後いただろうか。おそらく稜線はずっとガスが続いて展望は期待できないだろうなぁ。風も強まるだろう。登山口に到着すると10人ぐらいの学生らしきパーティーがたむろしていた。下山したパーティーかと思ったら引率の先生らしき男性に話を聞いたら今朝登り始めたが途中撤退したとのこと。それが正解だろう。上は気温が0℃で霰からみぞれ、雨に変わり、その後はずっと雨が降り続いていることを話しておいた。

 対岸の駐車場の入りは5割程度で意外と埋まっていたが、これは私が途中で追い越した下山者のものが大半であろう。登山口と道路を挟んで反対側の駐車場は2台分の空きあり。私よりも先に下山したハイカーのものだろう。バックドアを開けて屋根代わりにして靴を履き替えて着替えを済ませる。車に乗り込んで大町から長野へと車を走らせたが、ワイパーを動かすかどうか微妙な量の雨が続いた。

 

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